「ゆうひのてがみ」授業記録 もどる
第1時
指示1 「ゆうひのてがみ」を読みます。先生のあとについて、読みなさい。
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指示3 全員立ちましょう。一人三回読んだらすわりなさい。
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その後、教師と一行ずつ交代読みを2回、男女で一行ずつ交代読みを2回、そして全員でもう一度読ませる。
指示4 この詩を読んで、思ったこと、考えたこと、気がついたことをノートに書きなさい。
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5分間、ノートに5分間箇条書きに書いていく。
途中で時間経過といくつ書けたかきく。
5分後、指名なし発表をする。
1 ゆうびんやさんがさかみちをのぼってくる。
2 ゆうびんやさんは歩いてくるのか。
3 「。」がない
4 何時ぐらいなのか。
5 家々のポストに手紙をほうりこんでいく。だんだんゆうひがきえていく。それにともなっててがみもすくなくなっていく。
6 ゆうびんポストにというところに区切りがある。
7 きりがみとは何か。
8 このゆうびんやさんは夕方やってきて、話者の家にゆうびんというゆうひをちぎってほうりこんでいくのか。このゆうひのてがみは悲しい感じがする。
9 ゆうびんにかぎかっこがついているけど、それがないとゆうびんポストになってまぎらわしい。
10 家々には、おひさまのひがともるのか、炎のひがともるのか。おひさまのひならゆうひをちぎって、家々にくばって、家々にひがともるのかもしれない。
11 ゆうひをてがみのことにたとえている。
12 ゆうびんやさんはどこへかえったのか。
13 ゆうびんやさんは家のひをつける番人みたい。
14 ゆうひをちぎるなんて
15 ゆうひをどうやってちぎるんだろう。
16 なんでゆううひをちぎるのか。
17 ゆうひをせおうというのは、荷物が重いことがわかる。
18 「ゆうびんやさんがかえったあと」と書いてあって、次に「いえいえのまどから」 と書いてある。まるで本当の太陽を入れたように考えられる。
19 なんでゆうひをせおってさかみちをのぼってくるのかな
20 ゆうひのてがみをおってというものは、きっとゆうひをおっているみたいにみえている。
21 ゆうひのてがみは、なんで漢字で書かないのか。
22 ゆうひはきりがみのようにそう簡単には切れないはずだ。
23 ゆうびんやさんの詩みたい。
24 ここは何県なのか。
25 さかには、・・・
26 ぽっというのがものすごくあたたかそうだ。
発問1 「せおって」とあります。「せおう」と「せにする」では、どうちがいますか。
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「せおう」はおんぶする。背にするは後ろにする。
発問2 「まるできりがみのように」とあります。きりがみのようにどうしているのですか。
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ゆうひをすこしずつちぎる。
発問3 ゆうびんやさんがポストにほうりこんでいくのは、「ゆうひ」なのですか。それとも「てがみ」なのですか。
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ノートに自分の考えと理由を書かせ、人数を聞いた。
「ゆうひ」・・・・15人
「てがみ」・・・・13人
それぞれの理由を発表した。
【ゆうひ】
・なんで手紙をいれただけでひがともるのか。
・「ゆうひをすこしずつちぎってポストにほうりこんでいく」と書いてあるから。
・お話なんだから、手紙はありきたりすぎだし、もっと夢があった方がいいいから。
・「ゆううひをすこしずつちぎって」と書いてあるし、「ゆうびんやさんがかえったといえいえのまどにぽっとひがともる」と書いてあるから。
・最後の方に「いえいえのまどにぽっとひがともる」と書いてあるから、そのひはゆうびんやさんがちぎってみんなにくばったのだと思う。
・「ゆうひをせおって」で、ゆうひをもってきてそれを少しずつちぎってポストにほうりこんだと思う。
・もしも手紙だったら、ちぎるってポストに入れるはずはない。
【てがみ】
・ゆうびんやさんが手紙をポストの中に入れるときに、ゆうひがしずんで、ちぎったように見えたから。
その後、討論とした。
・ぼくは「ゆうひ」だと思います。なぜかというと航君に反対で、ゆうひをすこしずつちぎっていくようにみえたとは書いてなくて、「ゆうひをすこしずつちぎってポストにほうりんこんでいく」とまで書いてあるんだから、ゆうひをちぎっているのだと思います。
・反対です。ぼくは、これは「てがみ」だと思います。なぜかというと、ゆうびんをだすときにゆうひを少しずつちぎってだすように見えたからだと思います。
・このゆうびんやさんの手にはゆうひを持っていないから「てがみ」だと思います。
・もし航君の言ったようになると、「ゆうひをちぎったように」となるからちがうと思います。
・ゆうひを少しずつちぎって、わたすから、だんだんひがきえていくように見えて、ゆうひを配ったから、帰ったあとにひがともるんだと思います。
・私は手紙だと考えます。わけは、手紙にゆうひの色がうつって、ゆうひのように見えているのだと思います。
・反対です。ゆうひを少しずつちぎったようにということは、手紙をぎったことになるんじゃないですか。・ゆうびんのところには「 」がついていて、この「 」もしもこれが本当のゆうびんならついていないと考えるし、それにゆうひをすこしずつちぎってというの は、ゆうひをてがみにたとえてるんじゃないですか。
・ゆうひをせおっていたら、やけちゃう。
・これは詩なんだから、ゆうひをも持っても、詩のゆうびんやさんはあつく感じないと思います。
・ゆうびんやさんがゆうひをせおって、それをちぎってゆうびんポストに入れているんだから。ゆうひだと思います。
・詩なんだからって、さっき言ったよね。なら手紙がゆうひのように光ってもおかしくないんじゃないですか。
・反対です。ここにちぎったと書いてあるんだから、それは手紙をちぎったことになリます。
・でも詩なんだから再生したっておかしくないよ。
・ここにちぎってと書いてあって、ゆうびんやさんが人の手紙を切ったらくびになるし、それが大事な手紙だったら裁判になると思うし、手紙を切るゆうびんさんはいないと思います。
・「ゆうひ」の考えの人に反対です。ゆうびんやさんがポストに手紙を投げ込むときに「ゆうびん」と言うから「てがみ」だと考えます。もしも、ゆうひだったら 「ゆうびん」でなくてさ、「ゆうひ」というかもしれないと考えるから「てがみ」だと考えます。
・題に「ゆうひんてがみ」と書いてあるから、ゆうひのてがみだと思います。
・「ゆうびん」の「ゆう」はひらがなだから、「ゆうびん」かもしれないけど「ゆうひ」の「ゆう」かもしれません。
・さっき、もし「ゆうひ」だったら「ゆうひ」と言うはずだって言ったよね。でも題に「ゆうひのてがみ」って書いてあるから「ゆうびん」と言ってもおかしくないと思います。
・「ゆうひのてがみ」と書いてあるから、「ゆうひのてがみ」ではなくて「てがみのゆうひ」って考えられる・・・
・ぼくは「ゆうひ」に変わりました。題名に「ゆうひのてがみ」って書いてあるあるから、この詩にゆうひをすこしずつちぎってって書いてあるから、「ゆうひのてがみ」って言うんだと思います。
・「ゆうひ」だと考えます。ゆうひをすこしずつちぎるから、だんだんゆうが少なくなってきて、その配ったゆうひを、夜になると、ぽっとひがともる・・・
・「ゆうひ」に変わりました。
・私は「ゆうひ」だと考えます。さっき知之君が言ったようなら、なぜ「ゆうひをせおって」や「ゆうひをちぎって」という言葉を入れたんですか。
・知之君に反対です。たとえばクロネコとか運んでくるいろいろな荷物とかだって「ゆうびんです」って言うんじゃないですか。
ここで人数をもう一度聞いた。
「ゆうひ」・・・・20人
「てがみ」・・・・ 8人
そして教師の解を示した。
説明1 先生は手紙だと思います。ゆうひをとどけるはずはありませんから。ゆうびんやさんというのは手紙をとどけるのが仕事です。手紙をとどけているわけです。「ゆうひをせおって
」というのは、たとえているんですね。本当は「ゆうひをせおっているようだ」、「ゆうひをちぎって」も「ゆうひをちぎっているようだ」というのを省略しているのです。
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この後で、比喩には直喩と暗喩があることを説明した。
教師の説明に対して、次のような反論がでた。
・もし、これはたとえではなくて空想だったらせおえてもいいんじゃないですか。
この考えを認めて、ほめた。
ここまでで第1時を終えた。
第2時
発問1 「ひがともる」とあります。「ひ」を漢字で書くとどうなりますか。ノート に書いてごらんなさい。
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「日」「灯」「火」がでた。
「ひがともる」という時は「灯」をつかうことを確認した。
発問2 第1連と第2連は、どの言葉とどの言葉が対比されていますか。ノートに書きなさい。
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「のぼってくる」と「かえったあと」
「ゆうひ」と「ひ」
発問3 「ゆうひ」と「ひ」はどんな点が対比されていますか。
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次のような考えがでた。
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ゆうひ |
ひ |
まるい
太陽
大きい
自然
夕方
あつい
赤
しずむ
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まるくない
電気
小さい
人工的
夜
あつくない
いろいろ
しずまない
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その後、指名して読ませた。
残った時間30分で「ゆうひのてがみ」について評論文を書いた。
解釈
これから「ゆうひのてがみ」の私の解釈を説明します。みなさんもいつおう考えてみてください。詩の内容は次の通りです。
ゆうひのてがみ
野呂 昶
ゆうびんやさんが
ゆうひをせおって
さかみちを のぼってくる
まるで きりがみのように
ゆうひを すこしずつちぎって
「ゆうびん」
ポストに ほうりこんでいく
ゆうびんやさんが かえったあと
いえいえいのまどに
ぽっと ひがともる
まず一文ずつ解釈してみましょう。「ゆうびんやさんが」はふつうのよみかたで、「ゆうひをせおって」の「せおって」を解釈します。ゆうひをせおってというのは、私の考えでは「ゆひをおぶって」と解釈できるでしょう。これは比喩を使ってあり、暗喩です。直喩に書けば、「まるでゆうひをせおってくるように」となるでしょう。次の「きりがみ」というのは、今で言うちぎりえです。これも比喩を使ってあります。「ゆうひをすこしずつちぎって」というのは、夕日がしずんで小さくなっていくのをたとえたのでしょう。(比喩)「ゆうびん」はそのままで、「ポストにほうりこんでいく」これもそのままです。次に二連の一行目にいきます。「ゆうびんやさんがかえったあと いえいえのまどに ぽっとひがともる」の「ひ」は考えで三つでました。
1日 2火 3灯
わたしは3と考えました。理由はともるというのでともるで使うのは3だけだからです。これでだいたい意味がわかりましたね。次は「のぼってくる」とはどこにいるのか図にかいてみましょう。図は次のようになります。そして最初に話者は、どこからみているかです。次のようになりました。
これをわたしの考えで書き直すとこうなります。
ゆうひのてがみ
野呂 昶
ゆうびんやさんが
まるでゆうひをせおってくるように
さかみちを のぼってくる
まるで ちぎりえのように
ゆうひを すこしずつちぎって
「ゆうびん」
ポストに ほうりこんでいく
ゆうびんやさんが かえったあと
いえいえいのまどに
ぽっと 灯がともる
これは私の一つ目の解釈です。もう一つの私の解釈した「ゆうひのてがみ」を説明します。
ゆうひのてがみ
野呂昶
かぜが
ゆうひをせおって
さかみちを のぼってくる
まるで ちぎりえのように
ゆうひを すこしずつちぎって
「ゆうびん」
ポストに ほうりこんでいく
かぜが かえったあと
いえいえいのまどに
ぽっと 灯がともる
というのが私の二つ目の解釈です。どうしてこのように考えるか、解釈はほとんどさっきのように同じですが、私は先生が「てがみです」と言ったときに、考えたことです。それは空想です。空想ならゆうひをはこんでくることだってできる。ゆうびんやさんではなく、かぜにたとえることもできるということです。かぜといういみは、わたるくんの言っていたことですが、かぜがゆうひをせおって、さかみちをのぼってくる。かぜをゆうびんやさんにすることだってできるからです。私の二つ目の解釈がわかっていただけたでしょうか。空想にしたときゆうびんやさんは何になるか、ゆうひをせおってなどもいろいろ考えられます。図にかくと次のようになります。そして話者は次のところで見ていると考えられます。たとえば私の考えでは、話者は空気だと言えるでしょう。空気だからかぜのうごきや、いろんなことがわかると私は考えます。この詩に登場するのは、次のように考えます。
ゆうびんやさん 話者 かぜ 空気
となります。
これが私のこの詩の解釈です。もっといろいろな人がやれば、もっといろいろな解釈ができるでしょう。けれど、これが私の限界です。みなさん、この詩で私の考えたこと以外のことがわかったら、ぜひ書いてみてください。詩のおもしろさがもっとよくわかるようになるでしょう。 |
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