小景異情 その二

                                    TOSS SANJO 田 代 勝 巳
 
伴一孝氏の実践をもとにしました。「小景異情 その二」の話者の位置を検討し、解釈をひろげます。

次の詩を提示する。提示用のサイトはこちらです。


































































































































指示1 この詩を読んでもらいます。わからないところは適当に読んでいいです。
 
 指名して読ませていく。

指示2 起立して三回読みます。読み終わったら、すわってまた読んでいなさい。全員起立。
 
指名して読ませる。

指示3 全員で読みます。はい。 
 

指示4 となりどうして一行ずつ交互に読みなさい。読み終わったところは立ちましょう。はい。
 

指示5 今度はさっきと読むところを入れ替えて読みます。終わったらすわりなさい。はい。
 

発問1 意味のわからない言葉はどれですか。
 
 教師が説明していく。
 ・よしや=たとえ
 ・うらぶれる=おちぶれて
 ・異土=ふるさととちがうところ
 ・乞食=人から金やものをめぐんでもらって生活している人
 ・あるまじや=あるまい 〜ではない
 ・かへらばや=帰りたいものだ

発問2 話者はどこにいますか。ノートに書きなさい。書けたら理由も書きなさい。 理由を1つ書けたら先生ところに持ってらっしゃい。
 
 持ってきた子から板書させる。 
 挙手で人数を確かめる。
 人数の少ないところから理由を発表させる。

指示6 今の理由を聞いて、何か言いたいことはありませんか。 
 

発問3 この詩には場所をあらわす言葉が4カ所あります。話者と「ふるさと」、「異土」、「都」、「みやこ」はどのような関係にあるのでしょうか。ノートに図をかいてごらんなさい。かけた人は先生のところへもってきなさい。
 
  持ってきた子から、丸をつけ、板書させる。
  板書したものを説明させる。

指示7 質問や何か言いたいことはありませんか。
 

指示8 この詩を解釈しなさい。
 

 解釈としては以下のものが考えられる。 
 
(1)話者は「都」(異土)にいる。そして「ふるさと」(つまり「みやこ」)を思い出している。「都」は「異土」の都という意味。「ふるさと」=「みやこ」であるという解釈。
 
(2)話者は「都」にいる。そして「ふるさと」(つまり「みやこ」)を思い出している。「異土」とは、「ふるさと」以外の土地全てをさす。「ふるさと」=「みやこ」であるという解釈は(1)と同じ。
   
(3)話者は「都」にいる。話者は「ふるさと」のことを思っている。「ふるさと」に帰りたいが、帰れない。そこで別の「みやこ」に行きたいと思っている。「都」と「ふるさと」と「みやこ」は別々のものであるという解釈。
  
(4)話者は「都」にいる。そして「ふるさと」のことを思っている。そして子ども時代のこと(=「みやこ」)をなつかしく思っている。子ども時代(「みやこ」)に帰りたい。
 
(5)話者は「ふるさと」へ帰ってきた。しかし、今は昔の面影もなくすっかり「都」となっていた。「みやこ」(昔のままのふるさと)にかえりたい。「ふるさと」=「都」(今のふるさとの様子=「みやこ」(昔のふるさとの様子)
 
(6)話者が移動している。5行目までが「ふるさと」にいて、それ以降は列車に乗って都に帰った。よきふるさとが「みやこ」であった。
 
 

TOSS(登録商標第4324345号)、インターネットランド(登録商標4468327号)
このサイト及びすべての登録コンテンツは著作権フリーではありません

もどる