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Make a wish 夢の大切さ

田代勝巳(TOSS SANJO)

Make a wishは、なぜ難病の子どもの夢をかなえているのか。それは、決して最後の夢を実現させるためではない。
それは・・・・。なぜ夢が大切なのかを考える授業です。


発問 「不治の病」とは、どういう意味ですか。

治らない病気

発問 「難病」とは、どういう意味ですか。

難しい病気

説明 (治ることが難しい病気ですね)原因不明、そのため治療方法がわからない。治る見込みがほとんどない病気です。「不治の病」とも言われています。日本だけでも約120種類以上の病気があると言われています。

説明 河合裕貴くん。生後8ヶ月でウエルドニッヒホフマン病と診断されました。現代の医学では治すことができない難病です。全身の筋肉が弱くなって、自分で呼吸ができなくなり、人工呼吸でしか生きられなくなる。最終的には、心臓がとまってしまう。全国にも症例があまりない10万人に1人という恐ろしい病気なのです。医師は、長くは生きられないことを両親に伝えました。

発問 全身の筋肉が動かないのでずっと寝たきりの生活です。それでも裕貴くんは、自分の意志をあらわすことができました。どこを使って意志を表したと思いますか。


説明 目の瞬きだそうです。目をパチパチするのが「イエス」、白目にするのが「ノー」のサインです。目の瞬きで友だちとも会話ができたそうです。


発問 体がほとんど動かない裕貴くんが、大好きなものがありました。 ウルトラマン・グレートです。毎日何回もビデオを見て、ウルトラマンが戦うシーンになると、手に汗をかき、モニターの心拍数はアラームがなるほど興奮しました。


発問 裕貴くんには夢がありました。何だと思いますか。

ウルトラマングレートといっしょに怪獣と戦うこと

発問 その夢はかなったでしょうか。かなったと思う人?かなわなかったと思う人?

説明 実はかなったのです。 Make a wishというボランティアをしているところがあります。ここの人たちが、ウルトラマンの制作会社に交渉をしてくれました。円谷プロが、裕貴君のためだに特別なシナリオを作ってくれたのです。 怪獣にやられそうになったグレートが、裕貴君に助けを求めます。裕貴君はグレートの手を握りエネルギーをおくります。そのパワーで、グレートは怪獣をたおすことができました。

発問 裕貴君はそのあとどうなったと思いますか。


説明 ウルトラマンといっしょにたたかった2年後、裕貴君は亡くなりました。8才でした。母親の慶子さんは「あのときから雄貴は変わった。生きるエネルギーを満タンにしてもらい、2年後に亡くなるまで厳しい状況を何度も乗り越えた」と言ったそうです。


説明 もう一人紹介します。石川大輝くん。幼稚園の時に神経芽細胞腫と診断されました。神経にできるガンです。体のいろいろなところにガン細胞ができ、眼球までにもガンが転移していました。


発問 この大輝君の夢は社長になることです。この夢はかなったでしょうか。


説明 Make a wishとそしてホテルシェラトンの協力で、この夢がかないました。ディズニーランドの近く、シェラトンホテルの1日社長になったのです。1日社長と言っても、ちゃんと重役会議に出席し、客室や料理のチェックもする本格的なものです。シェラトンホテルの屋上にかかれているクジラの絵は、この時の大輝君の提案によるものなのです。


発問 大輝君は、この後どうなったと思いますか。


説明 ホテルの社長を務めて1年半後、大輝君は亡くなりました。11才。大輝君は、社長室で「大きくなったたら、ぼくもボランティアをして、みんなを助けてあげたい」と言っていたそうです。

発問 Make a wishJapanは、1992年にできました。難病をかかえる子どもたちの夢の実現のために力をつくしています。 どうして難病の子どもたちの夢をかなえようとしているのだと思いますか。 ノートに書きなさい。

何人かの子に発表させる。

説明 最後にもう一人紹介します。馬場俊輔君。幼稚園の時に白血病と診断されました。血液のガンです。日本では、毎年約6000人が白血病で亡くなっています。

説明 彼の夢は、イルカと泳ぐことでした。Make a wishによって、この夢もかなえられます。夢の実現の日、俊輔君は抗ガン剤の副作用で口内炎と下痢がひどく、食べ物が全く食べられない状態でした。髪の毛も抜け落ち、運動もできない状態でした。

説明 ところがイルカに会えたその日、俊輔君の体に変化がおきます。夕方には、ハンバーガーをほうばって食べられるようになりました。翌日もう一度イルカに会いに行くときなどは、案内人が船酔いでほとんど何も食べられない中、俊輔君だけがサンドイッチを、よく食べたそうです。

発問 俊輔君は、この後どうなったと思いますか。

説明 俊輔君は現在19才、イタリア料理のシェフになるという夢のために勉強中だそうです。

発問 Make a wish Japanの事務局長、大野寿子さんは次のように語っています。
 夢をかなえることは、その子のゴールではなく、・・・・・なのです。
 ・・・・・の中にはどんな言葉が入ると思いますか。ノートに書きなさい。

予想したことを発表させる。

説明 「ジャンプ台」です。

説明 夢をかなえた子どもたちは、人生に希望を見いだし、次にもっと大きな夢を描いてその夢に向かって進んでいくのです。 「Make a wish japanは最後の夢を実現するお手伝いをしているのではなく、生きる力をもつための夢の実現に協力しているのです。」


説明 子ども達は夢をかなえる過程で、もっと病気に立ち向かうち力もわいてくるし、何より夢を叶えることで、これから生きていく上での自信がつきます。


説明  最近の研究で、人間は生き方を変えていくと免疫力が高まり、病気を治す力が増えていくことがわかっていました。


説明  Make a wishは、2004年12月8日に700人目の夢をかなえました。


指示 授業の感想を書きなさい。



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