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漢字スキル最初の指導
                                                        TOSS  SANJO 田 代 勝 巳(tkenk@rose.ocn.ne.jp)
 4月、はじめて漢字スキルを使う子に新出漢字をどう指導していけばいいのか、向山洋一氏と伴一孝氏の実践をもとにつくりました。
向山型国語向山型漢字指導(伴一孝氏のHP)はこちら

 
 第1日目 スキル1右ぺージの半分(新出漢字3つ程度)
指 示 留 意 点
1 指書き

 これから漢字の練習をします。漢字を覚えるにはコツがあります。先生の言うとおりにやってみましょう。
 スキル1をだしなさい。○という漢字があります。指で押さえなさい。隣の人同士で確認しなさい。今日はその漢字を練習します。
 漢字を覚えるときは、まずはじめに筆順を見ながら机の上に指で書きます。指書きといいます。指書きをするときは筆順を声に出して数えながら書きます。目と手だけではなく、口でも耳でも覚えます。
 机の上で指書きをしてごらんなさい。このときに筆順を必ず見て書きなさい。覚えるまで書くんです。何度も何度も練習してごらん。(10回ぐらい書いてごらん)
 
 覚えたら念のために空に全員で書きます。指を出して、筆順を言いながら書きます。さんはい。
 念のために、目を閉じて、さんはい。



 
机上はスキルと筆入れだけにする。

「指書き」から一つずつやっていく 
細分化の原則
指示は、簡明、一時一事、全員の原則で
指で確認する 確認の原則


趣意説明の原則
 声に出して言うことをおさえる

確認(手に何も待たせない、指の先は机上に必ずつける)


確認の原則

何度か練習させる。
全員が正確に書けるまで繰り返す(全体・、男女・列など変化のある繰り返しを入れながら)
画数は「山」の二画目のようにおれるところは「に−い」とのばして言う。人の二画目のはらい等も「にーい」と正確にのばす。「分」の三画目は「さーあーん」となる。
2 なぞり書き
 今度は○という字が薄く書いてあるところをえんぴつでていねいになぞります。なぞり書きといいます。1mmもずれないように書くんです。なぞり書きの時も声に出して練習します。書いてごらんなさい。


声がよくでている子をほめる激励の原則  ずれている子にはやり直しをさせる。
3 写し書き
 なぞり書きができたら、その下の段にそっくりそのまま写して書きます。写し書きといいます。この時も筆順をいいながら書いてみましょう。


声がよくでている子をほめる 
激励の原則
 
4 一人書き
 最後に一番下の段は何も見ないで書きます。上の字をかくして書きます。一人書きといいます。書いてごらんなさい。書けた人から立ちなさい。(あるいはかけた人から先生のところに持ってきなさい)


立たせる(状況把握と追い込み) 
確認の原則
5 確認
 念のために隣同士でテストをします。スキルを閉じて机の上に指書きをしてもらいます。二人とも合格したらすわりなさい。 
 もう一度確認します。空書きをします。目の前にノートの大きさと同じぐらいの字を書きます。さんはい。

念のために確認する 確認の原則


全員の声がそろうまでやらせる。 
6 残りの練習(1〜5の繰り返し)
 漢字を覚えるときは、今やったように覚えます。では、次は□という漢字です。では、指書きから始めなさい。手本を見ないでも書けるまで練習します。
以下繰り返す。 

この時子どもを見て、声の出ている子をほめる。 
 激励の原則
 
第2日目 スキル1右ページの残り
指 示 留 意 点
1 指書き
 漢字の練習をします。スキル1をだしなさい。昨日の続きです。○という漢字からです。
 最初は指書きです。指書きの時大事なことは何でしたか。声に出して書くんでしたね。目と手だけではなく、口と耳からも覚えます。
 それでは指書きをしなさい。何も見ないでも書けるようになったら立ちなさい。
 全員で書きます。さんはい。
 目を閉じて、さんはい。



声を出すことを確認する
立たせる(状況把握と追い込み)
 確認の原則
2 なぞり書き
 すわりなさい。今度は○という字が薄く書いてあるところをえんぴつでなぞります。なぞり書きといいました。なぞり書きの時も声に出して練習します。書いてごらんなさい。ちゃんとなぞれた人? まだの人?


追い込む 確認の原則
3 写し書き
 なぞり書きをしたらその下の段にそっくりそのまま写して書きます。写し書きといいました。書いてごらんなさい。


 
4 一人書き
 最後に一番下の段は何も見ないで書きます。上の字をかくして書きます。一人書きといいます。書いてごらんなさい。書けた人から立ちなさい。

立たせる(状況把握と追い込み)
確認の原則
5 確認
 念のために隣同士でテストをします。机の上に指書きをしてもらいます。二人とも合格したらすわりなさい。 

念のための確認 確認の原則
 
6 残りの漢字
 では、残りに漢字を練習します。指書き、なぞり書き、写し書き、一人書きの順で練習します。できた人からもってきなさい。
 (持ってきた子からチェックする。)


早く終わった子はノートに練習していましょう。 (ノートにテストのように練習して、自分で厳しく○付けをする。間違えた字は、正しい漢字を見ながらなぞって練習させる)
指書き−何も見ないで指書き−なぞり書き−写し書き−一人書きのステップを声に出して正確に行っているか確認する
確認の原則

早く終わった子への指示 
空白禁止の原則
7 確認
(全員チェックしたら)そこまでにします。念のために確認をします。スキルを閉じなさい。
 一斉に指書きをします。○という字、さん、はい。
 目を閉じて、さんはい。

 
念のために確認 確認の原則
あやしい子がいたら一斉にもう一度やる。または、その子のいる列だけ、(男子だけ、女子だけ)としぼっていったり、目を閉じてやったりする。
どうしても書けない子がいた場合は、いっしょに板書したり、教師が左手で鏡文字にして指書きする。
8 さらに確認
 起立。今やった漢字を隣同士でテストをします。二人ともできたらすわりなさい。 
さらにまた確認 確認の原則
 
第3日目 スキル1左ページ
指 示 留 意 点
1 練習のしかたを確認する
今日はスキル1の左のページをします。
みんなで読んでみましょう。さん、はい。
読み仮名を書きなさい。わからなかったら下を見てごらんなさい。
書けたら「書けました」と言いなさい。鉛筆を置きなさい。
ここも練習のしかたは右のページと同じです。
最初は何をするんでしたか。(指書き)      
その時に気をつけることは何ですか。(声に出す) 
指書きの次は何ですか。(なぞり書き)      
次は。(写し書き)               
最後は。(一人書き)               



確認の原則

読めない子には、下に読み仮名が書いてあることを教える。




スキルの左ページは横に進むように
練習する。
 
2 一人で練習 
(2段目まで書けたら先生のところに持ってきなさい。)

時間は15分間です。では指書きからです。はじめなさい。できた人から先生のところへ持ってきなさい。
早く終わった人はノートにテスト練習をしていなさい。(漢字を書いたら自分で厳しく○付けをする。間違えた字は、正しい漢字を見ながらなぞって練習させる)

最初はこのように持ってこさせチェックする。
時間を指定する。
声を出している子をほめる
 激励の原則
スキルをチェックする。 確認の原則
3 確認
(15分たったら)そこまでにします。念のために確認をします。スキルを閉じなさい。
 一斉に指書きをします。○という字、さん、はい。
 目を閉じて、さんはい。

 以下繰り返す。 
念のために確認 確認の原則
あやしい子がいたら一斉にもう一度やる。または、その子のいる列だけ、(男子だけ、女子だけ)としぼっていったり、目を閉じてやったりする。
どうしても書けない子がいた場合は、いっしょに板書したり、教師が左手で鏡文字にして指書きする。
4 念のために確認
 今やった漢字を隣同士でテストをします。難しそうだと思うものを3つ選んで出してごらんなさい。二人とも合格したらすわりなさい。全員起立。 
確認のしかたのバリエーション 
(1)全員一斉に空書き   
(2)教室の右半部と左半分を向かいあわせて空書き       (3)隣同士で指書き        
5 家で練習するように言う
 明日漢字テストをします。家で練習しておきなさい。
 自分で○つけまでやっておくんですよ。 
読み仮名を書いて、自分でテストをして、○つけもする。まちがえたところだけ練習する。
 
第4日目 漢字テスト
指 示 留 意 点
1 ノートのチェック
 昨日、漢字を家で練習してくるように言っておきました。
名簿順に先生のところへ持ってきなさい。
(まちがえた漢字があったら正しい字形をなぞるように言っておく。)

 
子どもは教室のどちらからどちらへ動くのか決めておく。
ノートを出すときに「お願いします」「ありがとうございました」と言うようにさせる。
2回目のテストの時からは、1回目のテストでまちがいのあった子から先にノートを持ってこさせる。(まちがえている可能性が高いため、早めに見て練習時間を確保してあげる)
2 空書き
 念のために全員で指書きします。
 ○という字、さんはい。
(以下繰り返す)

テンポよく進めていく。
 
3 曖昧な字を指書きする
 自信がない字をもう一度指書きをして確認しなさい。
1〜2分程度確認の時間をとる。
 
4 テスト
 テストをします。テストのページをていねいに切り離しなさい。
 名前を書きなさい。書けたら書けたましたと言いなさい。
 では、始めます。時間は3分です。はじめ。

きちんと折り目をつけて破らないように切らせる。

 
5 ○つけ
 やめ。○つけをします。隣同士で交換しなさい。
 ○つけは、手本を見ながら厳しくつけます。もしか、○か×か意見があわなかったら先生の所にもってらっしゃい。○をつけたら隣の人に返しましょう。


意見があわなかった字については、なぜ○なのか、なぜ×なのか教師が説明する。趣意説明の原則
6 テストをもってこさせる
 では、間違えのあった人から先生の所にもってらっしゃい。100点だった人持ってきなさい。
(こうして、最初は○×にまちがいがないか教師が確認する。)
 100点だった人は、赤猫シールを貼っていなさい。まちがいがあった人は、指書きで手本をなぞっていなさい。
まちがえた子から持ってこさせ、練習の時間を確保する。
欄外に書くのは、2回目のテストの点数を書き入れるため
 
7 テストをノートにはる
 まちがえのあった人は手本を指でなぞります。指書きできるようになったら裏に練習をしなさい。100点だった人も、難しかった漢字を裏に練習していなさい。
 シールをはります。シールを貼り終わったら、ノートにテストをはります。見開き2ページにていねいにはります。
 まちがいのあった人は、この時間の終わりに2回目のテストをします。 
のり・はさみ・分度器・三角定規・コンパスなどは必需品として道具袋などの中に入れて保管させておく。

見開き2ページにテストをはらせる。教師が見本をつくっておくとよい。 
8 点数を発表
 点数を名簿順に発表してもらいます。1番からどうぞ。
名簿順にとぎれることなく発表させる。その間に教師は点数を成績欄に記入する。
どうしても言いたくない子は先生の所に来て言わせるように配慮する。
9 まちがえた子の再テス 少し早めに授業を終え、まちがえた子に、まちがえた字だけを下の段に書かせ、教師のところに持ってこさせる。教師が○をつけ、ノートにはらせておく。
※ よみかえの漢字指導
 @指書きをする(教師も黒板に書く)
 A指書き確認する。(「先生にみせてごらんなさい。はい。」)
 B目を閉じて、指書き。(「目を閉じて。はい。」)
 Cスキルのなぞり書きをする。(「なぞりなさい。5秒です。5,4,3,2,1はい。」)
 D次へ。(以下繰り返す)
 
なれてくれば、次のようなペースで行う
 1日目 漢字スキル右ページ半分     3〜5分 
 2日目 漢字スキル右ページ残り半分  3〜5分
 3日目 漢字スキル左ページ     15分
 4日目 テスト(3分) 答え合わせ・点数報告・ノートへの張り付け(7分) 10分

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