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神様からのプレゼント

田代勝巳(TOSS SANJO)

6臓器を同時移植した大橋陽佑くん。奇蹟の連続ともいえる事実はどうして起きたのか。『神様からのプレゼント』をもとに授業を組み立てました。

TVCMを流す「ぼくは6歳」「私は1歳」・・・・・・

何のことだと思いますか。

正解は告げずに次に進む。大橋陽佑くんの写真を提示する。以下PPで作成した画像をもとに進める。

大橋陽佑くんと言います。2004年1月29日に生まれました。お父さんの之歩さんは、新潟県生まれです。

ふつうより9週間早く生まれたため体重は約1500g、ふつうの赤ちゃんの半分しかありませんでした。それでも元気に育ち、退院することができます。

しかし、半年がたったときに体調が急変し、病院に運ばれます。診断は、腸捻転でした。腸がねじれて、腸の中がつまってしまう病気です。そのために腸が正常に働かなくなっていました。


発問 腸が働かないとどうなると思いますか


手術をして、つまった部分を取り除くことにしました。しかし、腸の中を見ると、ほとんど壊死して、腸として働かなくなっていることがわかりました。


発問 30cm。何のことだと思いますか。


小腸は約2.5mあります。乳幼児の場合、小腸を切っても30cm残っていれば、再生が可能なのだそうです。

陽佑くんは度重なる手術で小腸を切り取っていきます。残りが1.5m、さらに残りが56cmとなります。56cmでもあれば、何とかなります。しかし、5回目の手術で、・・・・・残りの小腸と大腸の半分を切り取ってしまいました。

小腸がないので栄養分を吸収することができません。そこで、カテーテルという細い管を体に通して、血液に直接栄養分をおくる手術をしました。

この治療法では、肝臓に負担がかかりすぎ、肝臓がかたくなって機能を失ってしまいます。「もって2年の命」と告げられます。


発問 陽佑くんの両親はどうしたと思いますか。

小腸の移植という方法があることを知ります。

発問 そこで日本の医師に相談します。答はどうだったと思いますか。


日本での成功例は少ないこと、15歳未満の臓器移植を禁止しているため陽佑くんにあった小腸は見つからない。「お子さんの残された命精一杯見守ってやるのも大事なことではないですか」とも言われました。


発問 陽佑くんの両親はどうしたと思いますか。


あきらめかけたのですが、友人から一通のメールが届きます。
「ご心配のことと思いますが、医学は日々進歩していますので、Never give upです」
そして臓器移植で世界最先端のマイアミを紹介してもらいます。そこには加藤先生という有名な日本人医師がいました。


加藤先生に連絡をとると、以前は生存率50%であったが、今は80〜90%あること。ただし費用が1億円はかかると言われます。


発問 陽佑くんの両親はどうしたと思いますか。ノートに書きなさい。


トリオジャパンという移植の支援団体があります。そこに相談しました。事務局長の荒波嘉男さんは、陽佑くんの両親にこういいました。
「あなた死ぬ気で募金できますか。本当にその覚悟がありますか。」
両親は覚悟を決めました。その時の映像です


友人、知人、親戚にかたっぱしから声をかけ、「陽介ちゃんを救う会」が結成されました。事務所、報道関係への連絡、記者会見、ポスター・チラシ、道路使用許可、そして募金活動が昨年の9月にスタートしました。東京、大阪、名古屋、新潟、長岡と各地をまわり、必死の募金活動が始めました。
10月になり新潟で大募金キャンペーンを計画しました。しかし、中越大震災のため中止となります。
募金しているときに、あたたかい声をかけられます。
「ぜったにあきらめたらあかんで」
多くの仲間に励まされ、多くの仲間の努力で、11月には目標としていた金額が奇跡的に集まりました。


一方、陽介くんの容態は悪化していました。肝臓の負担が大きく、ぐったりとしていました。さらに小腸がないため胃液が直接肛門からでてくるため、おしりがただれました。マイアミ大学に検査のために行くことになります。
マイアミ大学に入院している家族からあたたかい言葉をかけてもらいます。
「あきらめちゃだめよ」


しかし陽佑くんの容態はさらに悪化します。移植が決まっても、ドナーつまり臓器を提供していくれる人が見つからなければ、手術ができません。まさに時間とのたたかいでした。


2004年12月24日 クリスマスイブ 奇跡は起きます。ドナーが見つかったのです。そして手術が始まりました。小腸だけではなく、肝臓、膵臓、脾臓、胃、大腸の6この臓器を同時移植しました。


手術は、無事成功しました。しかし手術後に拒絶反応があり、移植した脾臓をとる手術がおこなわれました。この手術も奇跡的に成功しました。3月には退院し、6月には歩けるようになりました。


発問 陽佑くんのお父さんは次のように語っています。「奇蹟の連続」だったと。
加藤先生とめぐり会えた奇蹟、わずか2か月で募金が集まった奇蹟、クリスマスイブにドナーがみつかった奇蹟、手術が成功した奇蹟・・・・
「奇蹟は起こるものではなく、□起こすもの」
□ には何という言葉が入りますか


信じる心が起こすもの
一瞬、一瞬に関わった多くの方たちの「信念」「強い心」奇蹟を起こしたのです。


授業の感想を書きなさい。


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