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ふるさとの訛りなつかし停車場の人ごみの中にそを聴きにゆく(石川啄木)


田代勝巳(TOSS SANJO)
 

 石川啄木の短歌「ふるさとの訛りなつかし停車場の人ごみの中にそを聴きにゆく」。伴一孝氏が向山洋一氏の追試を報告している:インターネットランド(TOSS商標)No検索:1117003。その授業の修正追試である。
 修正した点は以下の通り。
(1)「停車場はどこにあるのですか」→「話者はどこにいるのですか」
                       「話者はどこからどこにゆくのですか。図で表しなさい」
(2)補助発問「話者には、訛りが聞こえているのですか」という発問を加えた。
 子ども達に授業したところ、ふるさと以外のところ(都会)からふるさとへゆこうとしているのだという解釈が出た。
「ゆく」を扱うために、上記の点を修正してみた。


          
        ふるさとの訛りなつかし
     停車場の人ごみの中に
     そを聴きにゆく   
            石川啄木
 


1 音読
 教材文を提示。教師の範読。追い読み。 

指示 この短歌をノートに写しなさい。

視写が終わった子から読みの練習。

指示 〜さん、読んでごらんなさい。

数名に読ませて、読みの確認をする。その後、全員で読む。

2 意味のわからない言葉

発問 意味のわからない言葉はありませんか。

  「訛り」、「停車場」は、国語辞典で調べさせる。
      訛り・・・その地方独特の言い方、方言。
      停車場・・・駅
  「そ」は、「何かが省略されています」といって、少し考えさせる。子どもたちから出てこなければ「それ」である
ことを伝える。

3 助走

発問 「そ」つまり「それ」とは何を指しますか。

 訛り

発問 話者はどこにいるのですか。ノートに書きなさい。

 @ふるさとの停車場
 Aふるさと以外(都会)の停車場
 B停車場の近く
 C汽車の中
 などが出される。
 理由を簡単に発表させる。

4 中心

発問 話者は、どこからどこに「ゆく」なのですか。図であらわしなさい。書けたら持ってらっしゃい。

 板書させる。
 板書されたものを一通り説明させる。
 @ふるさとの停車場の中→ふるさとの停車場の中の人ごみ
 A都会の停車場の中  →ふるさとの停車場の中の人ごみ
 B都会の停車場の中  →都会の停車場の中の人ごみ
 C汽車の中        →ふるさとの停車場の中の人ごみ
 Dふるさとの中      →ふるさとの停車場の中の人ごみ 

発問 この中でおかしなものはありませんか。

  もしも反対意見が出なければ、次のように整理していく。
「なつかし」「人ごみ」が根拠となるが、解釈によってどちらも考えられる。
意見がまとまらないようならば、次のように整理する。
(1)なつかしいのは、何ですか。(訛り) 「ふるさと」ではなく、「訛り」であることを確認する。
(2)話者に、訛りは聞こえていますか。(「なつかし」なのだから、聞こえている。)
(3)訛りが聞こえて、なつかしいと感じたのです。もう一度、討論しなさい。

@とBで討論する。

意見が出尽くしたところで、

発問 話者はどこに住んでいるのですか。

 @Aどちらにしろ都会に住んでいて、ふるさとのことをなつかしく思っていることになる。
 

説明 この短歌の歌碑が現在、ある停車場にあります。

上野駅にある歌碑を紹介する。(インターネットで検索すると写真もある)

 まとめ

指示 今日学習したことをノートにまとめなさい。
    (または、この短歌の解釈を作文にしなさい。)



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